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2-①多彩な表現活動と子どもたち・演劇論

 

2-①多彩な表現活動と子どもたち・演劇論

2-①多彩な表現活動と子どもたち・演劇論
   
私の幼児演劇論
保育園、幼稚園、学校などでは、子どもたちの歌、踊り、楽器、演奏、演劇などのはっぴょう会が毎年のように活発に行われている。
 
歌う声に気持ちをのせ、楽器を鳴らす指や踊るしぐさに感情をこめるのは子どもたちが自分のまわりの人たちに送る心のメッセージとして受けとめたい。
 
子どもたちのこのような自己表現の活動は、子どもが人と人とのかかわりを深め、まわりの人々とのコミュニケーションをぐんぐん広げていく大きな原動力となるはずである。
 
私は多種多様な子どもの(自己)表現活動の中でも、子どもの演劇、なかでもミュージカル劇に関心を強くもち、長年実績を重ねてきた。
 
今、自分がいる状況とは全く違う状況の中に自分を置き今の自分とは別の自分になってドラマでかっとうを演じ、空想の世界をせりふや歌や踊りで表現することが、子どもに演じることの快感や大きな喜びをもたらすからである。
 
世界名作童話劇場研究所 所長 川野久江
 
 
   
~ 子どもの声を聴く ~
 今年度2月の表現活動発表会で3歳以上児の演じるミュージカル劇は、昨年に引き続き『アリババと40人の盗賊』と『うさぎとかめ』です。
 『アリババと40人の盗賊』の劇の練習の合間に絵本の読み聞かせを担任が繰り返し心を込めてじっくり行うと、子どもたちと舞台で盗賊が登場する場面の練習を進めていく中で、A君「盗賊のお頭(かしら)って、すごーく悪い奴だね!」、保育士「どうして悪い人だと思うの?」、B君「だって、金貨や宝石を人の家から盗んだんだよ!」、Cちゃん「顔も怖いよね!」、Dちゃん「すごーく大きい男で怖いってかんじー!」、保育士「じゃあ、どんな風にしたら盗賊のお頭って見えるかな?」、Dちゃん「いつも偉そうに歩く!こうだよ!」と胸を張って ドシッ!ドシッ! と大股で歩き、周りの友だちを睨みつけます。するとみんなが「わぁー!!かっこいい!怖いー!」と囃し立てます。保育士「Dちゃんの考えは面白いね~。先生も真似してみよう!こうかな?」「そうそう!先生、上手 上手!!」とみんなから拍手が沸き、保育士の私の演技そっちのけの色々な 私の思いもよらないお頭の仕草を子どもたちがそれぞれ演じるのです。
 これからも子どもたちに色々問いかけ、一緒にアイディアを出し合い、思いがけない仕草や演技の面白く楽しい劇にしていけたらと思います。
 
                                  R6.12.1  劇担当保育士  木村 友香 
 

著者プロフィール

著者プロフィール
 
 
【現在】
 
 花崎保育園 園長
 
【経歴】
 
 昭和41年3月  東京学芸大学卒業
   世界名作童話劇場研究所 所長  
 昭和41年4月~28年間
【主な著書】  『幼児がのびる 魔法の劇あそび』                            東京都公立小学校教諭
   『アラジンと魔法のランプ』脚本    平成 8年4月   花崎保育園園長
   『不思議の国のアリス』脚本    
   『ジャックと豆の木』脚本    
   『ピーターパン』脚本    
 
 『おおかみと七匹の子やぎ』脚本
 
 
 
 
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